「真湖ちゃん…」


一夜は扉を閉めると、すぐに私を抱き締め、キスをして来る。


なんだか、こんな風に強く求められている事が、嬉しいな。


「…んっ…」


キスは激しくて、けっこう音を立てていて、
ある程度私の唇を貪ると満足したのか、一夜は唇を離した。


だけど、まだ私の体は解放せず、抱き締めたまま。


「これから真湖ちゃんが一杯遊びに来てくれるから、
最新のゲーム機買っちゃった」


テレビ台を見ると、人気ゲーム機の新機種があり、その横にそれ専用のカセットが大量に積まれている。


この人、きっとお金はあるんだろうけど。


昨日の今日で、こうやって用意して凄いな。


「動画配信のサブスクも、さらに色々契約しといたから」


「うん…」


本当に、一夜はこのマンションの部屋から出られないのだろう。


護衛を付ければそれは可能だろうけど、そこまでして、私もこの人と何処かに出掛けたいとも思えない。


「他に、必要なものが有ればなんでも言って?」


「いや…別に…。私はただ一夜が側に居ればそれでいいよ。
でも、せっかくだから、このゲーム機で遊びたい」


そう言うと、一夜は嬉しそうに笑って、えーと、じゃあね、と、ゲームソフトを選び出した。