「それは、すみませんでした」
早瀬さんは、一夜よりも私に向けてそう謝る。
「変に他の所の経営のラブホとか行って、部屋に隠しカメラとか付いてたら嫌だし。
此処なら、カメラ付いてない部屋分かってるから、安心して泊まれるんだよ」
一夜のその言葉に、このラブホテルは盗撮されている部屋があるの?と怖くなる。
何故カメラがあるの?と思うけど、なんとなく、それは訊けない。
「けど、俺金なくてタクシーも乗れなくて困ってたから、早瀬が来てくれて良かった。
真湖ちゃんをまた自宅迄送ってあげて?」
「分かりました。
真湖さん、お送りします」
早瀬さんの言葉に、はい、と頷いた。
もうすぐ一夜とバイバイなのか、と、寂しいな。



