「あ…そういえば…今回は…一夜のスマホ…鳴らないね?」
この人とこんな場面になると、一夜のスマホに電話があり、それが中断される事が過去に二度あった。
一夜は、ゆっくりと顔を上げた。
「部屋にスマホ置いて来たから、大丈夫」
「そうなんだ」
「前に勝手に抜け出したのがバレた時にスマホにGPS つけられて。
だから、置いて来た」
「そう…。じゃあ、一夜は今も部屋に居る事になってるんだ」
「真湖ちゃん。こんな時に話さないの」
そう言って、一夜は再びその行為を再開する。
話した私への罰なのか、先程よりもそれは激しくて。
ずっと我慢していたけど、私は達してしまい、
「一夜、もうダメ!」
逃げるように、身を捩った。
下半身が自分の意思とは関係なくビクビクとして、頭の芯迄痺れている。
「じゃあ、俺もそろそろ気持ち良くなろうかな」
一夜は着ていたバスローブを脱ぎ捨て、ベッドボードにあるコンドームを手に取ると、包装を破いている。
「あの、口でとかしなくていいの?」
昌也はいつも必ず、それを求めて来た。
「今、そんな事されたら、挿れる前にイッちゃいそう」
一夜はそう言って、避妊具を装着し、私の両足を持ちゆっくりと中へと入って来る。
「いつもは、早くないんだけどね…。
真湖ちゃんに、俺、凄い興奮してる」
それが本当なのかどうかは分からないけど、一夜はゆっくりと腰を動かしている。
そうやってゆっくりでも、凄く気持ち良くてたまらない。
「一夜…凄く気持ちいい…」
私がそう言うと、一夜は私の両足から手を離して、そのまま覆い被さって来る。
「そういう事言わないで、よけいに興奮するから」
「だって…気持ち良い…」
本当に気持ち良くて、言葉に出てしまう。
「後で、もう一回していい?
二回目は、もうちょっと頑張れると思うから…。
もう、少しでも動いたら、俺、ダメかも」
ちょっと弱ったように耳元で言われ、それが可笑しくてクスクスと笑ってしまった。
「真湖ちゃん、本当に大好きだよ」
「うん。私も一夜が大好き」
一夜の背に、両手を回した。
一夜の肌はとても温かくて。
ずっと、こうしていたいと思った。



