部屋の扉が閉まると。


「じゃあ、ナガやんも帰ったし、再開しよう?」


一夜は私をソファーに、押し倒して来る。


「え、いや、ちょっと待って…」


流石に、そんなにすぐに切り替えられない。


「真湖ちゃんは、一体どれだけ俺を待たせるの?」


そう言いながらも、一夜は私から体を離して、立ち上がる。



「けど、なんか、そんな気分じゃなくなったな。
せっかくだし、何か食べに行こうか?
出掛けよう?」


「え、出掛けるの?」



「うん。
俺、後からこっそりと部屋抜け出して来るから、
真湖ちゃんは先に、駅のコンビニの前で待ってて」


「あ、うん」


あの部屋住みの若い子達の目を盗み、
一夜は抜け出して来るのだろうか?