「でも、いっちゃんって、真湖ちゃんのような雰囲気の子、タイプだよね?」


「うん。
真湖ちゃんのような、騙されやすそうな子、すっごい大好き!」


一夜の言葉を聞きながら、
私は騙されやすそうに見えているのか?と、思う。

ハッキリと言わなかったけど、一枝さんにも。



「ナガやんは、才女みたいなの好きだよね?
見た目だけそうなら、実際はちょっと頭悪くてもオッケーで。
今のナガやんの秘書なんか、もろそんな感じ。
あ、後、巨乳好き!」


「巨乳?
ああ、俺胸の大きな子好きだよ」


「ナガやんだけじゃなくジュニアもそうだよね?
兄弟で巨乳好きってそういう遺伝子なの?」


「遺伝子っていうか、刷り込みかも。
うちの母親が、胸の大きな女性で。
だから下の弟の方も、胸の大きな女の子好きだよね」


「そういや、こないだ組の奴ら数人でセクキャバ行ったんだけど。
ジュニアの奴、すげえ胸のデカイ女指名して、
胸の谷間に顔挟まれて、喜んでたな」


一夜がそう言うと、一枝さんはそれに笑っていて。


男の人って、下品で嫌だな、と思う。

それにしても、あの怖くてクールな永倉ジュニアがそうなのか、って。

けっこう、意外。



「いっちゃんは、特に胸の大きな女の子が好きとかないよね?」


そう言って、チラリと、一枝さんは私を見た。


「あ、そんな事言うの辞めてあげて!真湖ちゃんが傷付くから」


一夜がそう言うと、二人でケラケラと笑い転げていて。


凄く、不愉快。


この二人がとても仲良しなのは分かったけど。



「まあ、今日はメロン持って来ただけだから。
俺、そろそろ帰る。
二人の邪魔してごめんね?」


一枝さんはそう言うと、食べ終えたメロンのお皿を持ち、立ち上がる。


「本当に邪魔された。
どうでもいい女なら、久しぶりにナガやんと3Pもアリだったんだけど」


その一夜の言葉に、えっ、と引いてしまう。



「俺らもういくつよ?
若くないから」


一枝さんはそう言うと、じゃあ、と部屋から出て行った。