一夜が出て行くと、部屋は妙にシーンとしてしまう。
この人に、教えた方がいいのだろうか?
あなたの弟が、命を狙われていますよ?と。
いや、でも、そんな事を話したら、
私はただではすまない。
"ーー俺も、女を殺りたくないからーー"
一夜に、殺される。
「真湖ちゃん、さっきから思い詰めた顔してどうしたの?」
そう一枝さんに声をかけられて、いえ、と首を横に振った。
「真湖ちゃんがいっちゃんの側に居て、何を知ってるのかは知らないけど。
いっちゃんには、聖王会会長としての顔もあるって事は、俺も分かっているから」
なんだか、この一枝さんは全てを知っているのではないか、と、その言葉を聞いていて、思ってしまった。
「俺の弟もまた、俺の言う事聞かないからな…」
そう独り言のように溢された言葉に、やはり、この人は色々と分かっているのか、と思った。
「ただいま」
暫くして、一夜が戻って来て、
その後ろに部屋住みの男性がお盆に載せて、切ったメロンを持って来ている。
「あれ?
真湖ちゃん凄い暗い顔してるけど、
ナガやんに何か言われた?」
「え?何も言われてないよ?」
そう首を振り、一枝さんの方に目を向けると、
何もなかったように笑っている。
「真湖ちゃんに、あまりいっちゃんを弄ばないで、って、釘指しておいた」
「えー、真湖ちゃんになら、俺、弄ばれてもいいのに」
「あまり深入りしない方がいいよ」
そう、一枝さんは言うけど。
なんとなく、一夜ではなく、私に言っているのだろう、と思った。
一夜に深入りしたら、危ない、と忠告されているのだろう。
この人に、教えた方がいいのだろうか?
あなたの弟が、命を狙われていますよ?と。
いや、でも、そんな事を話したら、
私はただではすまない。
"ーー俺も、女を殺りたくないからーー"
一夜に、殺される。
「真湖ちゃん、さっきから思い詰めた顔してどうしたの?」
そう一枝さんに声をかけられて、いえ、と首を横に振った。
「真湖ちゃんがいっちゃんの側に居て、何を知ってるのかは知らないけど。
いっちゃんには、聖王会会長としての顔もあるって事は、俺も分かっているから」
なんだか、この一枝さんは全てを知っているのではないか、と、その言葉を聞いていて、思ってしまった。
「俺の弟もまた、俺の言う事聞かないからな…」
そう独り言のように溢された言葉に、やはり、この人は色々と分かっているのか、と思った。
「ただいま」
暫くして、一夜が戻って来て、
その後ろに部屋住みの男性がお盆に載せて、切ったメロンを持って来ている。
「あれ?
真湖ちゃん凄い暗い顔してるけど、
ナガやんに何か言われた?」
「え?何も言われてないよ?」
そう首を振り、一枝さんの方に目を向けると、
何もなかったように笑っている。
「真湖ちゃんに、あまりいっちゃんを弄ばないで、って、釘指しておいた」
「えー、真湖ちゃんになら、俺、弄ばれてもいいのに」
「あまり深入りしない方がいいよ」
そう、一枝さんは言うけど。
なんとなく、一夜ではなく、私に言っているのだろう、と思った。
一夜に深入りしたら、危ない、と忠告されているのだろう。



