「そうですか。
なんにせよ、加賀見会長と真湖さんが本当に付き合っている方が、都合がいいでしょう。
真湖さんを理由もなく側に置いておける。
永倉は綾瀬さんの娘の真湖さんに迄、手を出すかもしれない。
けっこう必死であれを探してるみたいですから」


「だねぇ。普通なら、娘になんか渡してない、と思うけど。
綾瀬さんの話だと、真湖ちゃん来年警察官になるらしいから。
ジュニアがそこまで知ってるのかは知らないけど。
もし知ってたら、警察官の娘になら渡していてもおかしくない、と思うかもだし」


「けど、色々理由付けて、加賀見会長はあの子を側に置いておきたいだけでしょ?
きっと、初めから」


どこか見透かしたように笑われ、図星だな、と思う。


真湖ちゃんに対して、わりと一目惚れに近い。


顔見て、可愛い子だな、と思って、あのホテルで意識を取り戻した真湖ちゃんと話していて、なんかこの子いいな、と思って。


俺が用意したバースデーケーキを嬉しそうに見ている真湖ちゃんの顔を見ていたら、
胸がキュンとして。


わりと、初めから好きになり始めていた。


本当に綾瀬さんの娘なのか?とか、もしかして、行方不明の父親の事を探る為に俺に近付いて来た?とか、疑いながらも、恐る恐る近付いて。


ジュニアからこの子を守らないと、と思う気持ちも本当だけど、
俺自身がまたこの子に会いたいと思って、最初の夜の別れ際、
今度ご飯でも、とLINEを交換した。


LINE…?