夜と遊ぶ

「早瀬もそうだよ。
早瀬だけじゃなく、幸子さんも。
幸子さんが、さっき言った俺の連絡係」


そう言われ、早瀬さんの母親の幸子さんを思い出した。


幸子さんの旦那さんは、一夜のおじいさんの及川龍三を庇い、亡くなった。

一夜が母親と飼っていたうさぎを亡くした、あの襲撃で。


「幸子さんは、俺よりも前から警察に聖王会の情報をリークしてて。
あの店、うちの組員が時々客として来ていて、そこで聞いた事とか。
早瀬は、俺と同じくらいの時期に綾瀬さんから誘われたみたいで。
あの親子二人は、佑哉さんの復讐かな?
撃って来た鉄砲玉の奴が憎いのは当然だけど、佑哉さんが護ったうちのじいさんの事は、もっと憎いみたいで」


その幸子さんと早瀬さんの気持ちは、分かるような気がした。


及川龍三を身を呈して護ったと、英雄扱いされる事すら、神経を逆撫でされるような気がする。


何故、そんな人を護って、大切な人が死なないといけないのか。


「幸子さんも連絡の橋渡しで綾瀬さんを知ってるから。
多分、幸子さんも綾瀬さんから真湖ちゃんの事を聞いてたんだろうね?
真湖ちゃんの名前聞いた時、幸子さん驚いて真湖ちゃんの顔を見ていたから」


そういえば、そうだった。


私はてっきり、一度昌也とあの店に行った事を覚えていたのかと思っていたけど。


そういえば、幸子さんに言われたな。


"――先程両親にあまり愛されてないとおっしゃってましたけど。
そんな事ないと思いますよ――"


私の、お父さん。


幸子さんに、どんな風に私の事を話していたのだろうか。


「あの時、一夜は佑哉さんにお線香をあげに行くって言ってたけど」


「うん。嘘。
幸子さんのパソコンから、警察内のとある人と連絡を取ってた。
さっき言ったように、スカイプで。
自分のパソコンじゃあ、出来ないからね」



あの時、一夜はなかなか戻って来なかったな。