「お母さんやうさぎのクロベエを亡くしたから…。
ヤクザの争いで巻き添えにした聖王会が、憎いの?」
「それもあるけど。
その後、うちのじいさんが、撃って来た組の奴らに若い奴使って報復を始めて。
向こうの幹部達を繁華街で襲撃した時、関係ない人間が三人も巻き沿いになって死んで。
一人は、幼稚園児で。後の二人も、サラリーマンとかで」
その事件も、ぼんやりと知っている。
聖王会の、竜道会幹部への襲撃で、竜道会の幹部が二人亡くなり、三人の人が巻き沿いになって亡くなった。
「その後、聖王会と相手の組とは、一応手打ちになったんだけど。
一触即発な状況が、今も続いている」
「うん…」
「俺が聖王会ぶっ潰してやろうと思ったのは、この世の中にヤクザなんていらないだろ?と思ったから。
俺の母親やクロベエもそうだけど、その幼稚園児もサラリーマンの奴らも、なんでこいつらのくだらねぇ争いで、死なないといけないんだって」
一夜の表情には、行き場のない憎しみや怒りが浮かんでいる。
「でも、実際こうやって事が進んで来たら。
警察側から、聖王会をぶっ潰してはダメだとか言われて。
聖王会が失くなったら、うちのシマで代わりに海外マフィアや半グレの奴らが、取って代わって勢力を強めるからって。
そいつらの方が俺らヤクザより、タチ悪いからって。
だから、聖王会は生かさず殺さずで、いいって。
最初の話と違うくない?って、綾瀬さんにもよく愚痴ってて」
「私のお父さんは、一体なんなの?」
「表向きは、まあ、公安で緩い仕事してるみたいだけど。
裏ではそうやって、俺のようなエスを使って、裏社会をコントロールしてて。
まあ、警察内にそう言った組織があって。
そこには綾瀬さんだけじゃなく、警察内部の人間が何人か居るんだけど…。
その辺りは、これ以上は言わない」
私のお父さんが、そんな…。



