「エスとは、ちょっと違うのかな?
でも、エスなのが一番ピッタリ来る。
まさか、聖王会のトップの俺が警察のエスだなんて、誰も思わないよな」
エスって、スパイ?
「綾瀬さんの、俺は犬?
もし俺が犬だったら、マルチーズっぽいよね?」
一夜は、ねえ?と訊いて来るから、
「一夜は、シーズーっぽいよ」
と、口にしていた。
なんだか、私は頭が混乱していて、もうなにがなんだか。
一夜は落ち着いていて、きっと、いつかこうやって私に話す事を、想定していたのだろうか?
「俺が大学四年の時ね、綾瀬さんに誘われた。
端的に言うと、聖王会を一緒にぶっ潰さないか?って」
聖王会を、潰す?
「そう綾瀬さんに言われて、俺は組入りした。
聖王会に潜り込む為に。
聖王会に潜り込んでから、有益な情報を警察にチクッて。
内側から、少しずつ壊滅させて行った。
にしても、名誉会長のじいさんの孫の俺は、そこそこ上に行けると綾瀬さんも踏んで、俺に目を付けたんだろうけど。
まさか、トントン拍子に会長の椅子に座れると迄は、思わなかった」
「一夜はなんで、聖王会を潰したいの?」
そう訊いてから、頭に浮かんだのは、あの事件の事。
あの、一夜の母親が巻き込まれて亡くなった襲撃事件。
「10歳の誕生日のあの日…。
母親だけじゃなくて、飼ってたうさぎも亡くなったんだ。
大人しい子だったから、キャリーに入れて一緒に連れて来ていて。
弾が当たったとかじゃなかった。
あの時の銃声や怒号、店員達の悲鳴で、あの空間は阿鼻叫喚としてて。
クロベエ…そのうさぎ、キャリーの中で亡くなってた。ショック死。
それに気付いたのは、けっこう経ってからなんだけど」
「一夜…」
なんて言葉を掛けていいか分からなくて、名前を呼ぶ事しか出来ない。
「俺の母親は本当に優しい人で。
撃たれたのは、俺の誕生日だったけど。
息を引き取ったのは、夜中日付が変わってすぐだった。
きっと、俺が自分の誕生日をこの先も祝えるように、あの人は俺の誕生日には死なずに、頑張ってくれたんだよね」
一夜の右目から一筋の涙が流れて、一夜は自分の手でその涙を拭った。
でも、エスなのが一番ピッタリ来る。
まさか、聖王会のトップの俺が警察のエスだなんて、誰も思わないよな」
エスって、スパイ?
「綾瀬さんの、俺は犬?
もし俺が犬だったら、マルチーズっぽいよね?」
一夜は、ねえ?と訊いて来るから、
「一夜は、シーズーっぽいよ」
と、口にしていた。
なんだか、私は頭が混乱していて、もうなにがなんだか。
一夜は落ち着いていて、きっと、いつかこうやって私に話す事を、想定していたのだろうか?
「俺が大学四年の時ね、綾瀬さんに誘われた。
端的に言うと、聖王会を一緒にぶっ潰さないか?って」
聖王会を、潰す?
「そう綾瀬さんに言われて、俺は組入りした。
聖王会に潜り込む為に。
聖王会に潜り込んでから、有益な情報を警察にチクッて。
内側から、少しずつ壊滅させて行った。
にしても、名誉会長のじいさんの孫の俺は、そこそこ上に行けると綾瀬さんも踏んで、俺に目を付けたんだろうけど。
まさか、トントン拍子に会長の椅子に座れると迄は、思わなかった」
「一夜はなんで、聖王会を潰したいの?」
そう訊いてから、頭に浮かんだのは、あの事件の事。
あの、一夜の母親が巻き込まれて亡くなった襲撃事件。
「10歳の誕生日のあの日…。
母親だけじゃなくて、飼ってたうさぎも亡くなったんだ。
大人しい子だったから、キャリーに入れて一緒に連れて来ていて。
弾が当たったとかじゃなかった。
あの時の銃声や怒号、店員達の悲鳴で、あの空間は阿鼻叫喚としてて。
クロベエ…そのうさぎ、キャリーの中で亡くなってた。ショック死。
それに気付いたのは、けっこう経ってからなんだけど」
「一夜…」
なんて言葉を掛けていいか分からなくて、名前を呼ぶ事しか出来ない。
「俺の母親は本当に優しい人で。
撃たれたのは、俺の誕生日だったけど。
息を引き取ったのは、夜中日付が変わってすぐだった。
きっと、俺が自分の誕生日をこの先も祝えるように、あの人は俺の誕生日には死なずに、頑張ってくれたんだよね」
一夜の右目から一筋の涙が流れて、一夜は自分の手でその涙を拭った。



