でもその後すぐ、彼女の次の誕生日までの期間を考えた僕は、ごめん、と消え入りそうな声で謝る。
飯野さんの誕生日までは、残り10ヶ月を切っている。
お金の問題もあるだろうし、現実的に出来る事なんて限られているんだ。
「ううん、謝らないで。私、今までにも沢山やりたい事は叶えてきたつもりだから」
僕とは目を合わせずに口角を上げた彼女は、手帳のある部分を指さした。
「それで、2つ目の願いがこれなんだけど」
「…なるほど、」
だから、彼女は1週間前にあんな事を言ってきたのか。
全ての辻褄が合った今、僕は大きく息を吐いた。
そこには、
『2: 嘘でもいいから彼氏を作る。デートをする』
と書かれていたんだ。
「もちろん、和田君が了承してくれたら本当に感謝するし、借りを返すって意味でも、持ちつ持たれつの関係を築きたいと思ってる。けど、別に叶わなくてもいいの。私は、今までの人生を十分楽しんだから」
彼女は目を瞑り、大きく深呼吸をした。
それはまるで、大地と共鳴しているかのようで。
「でも、…今の私は、春を盗んでまでして、神様に与えられた生命を生きてるから…。その分の責任は負わなきゃいけないし、最後まで楽しみたいって思う気持ちもある」
飯野さんの誕生日までは、残り10ヶ月を切っている。
お金の問題もあるだろうし、現実的に出来る事なんて限られているんだ。
「ううん、謝らないで。私、今までにも沢山やりたい事は叶えてきたつもりだから」
僕とは目を合わせずに口角を上げた彼女は、手帳のある部分を指さした。
「それで、2つ目の願いがこれなんだけど」
「…なるほど、」
だから、彼女は1週間前にあんな事を言ってきたのか。
全ての辻褄が合った今、僕は大きく息を吐いた。
そこには、
『2: 嘘でもいいから彼氏を作る。デートをする』
と書かれていたんだ。
「もちろん、和田君が了承してくれたら本当に感謝するし、借りを返すって意味でも、持ちつ持たれつの関係を築きたいと思ってる。けど、別に叶わなくてもいいの。私は、今までの人生を十分楽しんだから」
彼女は目を瞑り、大きく深呼吸をした。
それはまるで、大地と共鳴しているかのようで。
「でも、…今の私は、春を盗んでまでして、神様に与えられた生命を生きてるから…。その分の責任は負わなきゃいけないし、最後まで楽しみたいって思う気持ちもある」



