この10年、さくらが心から望んでいた事が本当に現実になるかもしれないんだ。
心の中で様々な感情がひしめく中、見舞い客だという事を示すネームプレートを首から提げた僕は必死で冷静な感情を取り戻し、“飯野 さくら”と書かれた病室のドアを開けた。
「はーい。…あら、冬真君!わざわざ来てくれたのね」
ドアを開けると、外の冬の寒さをまるで感じさせない温かな空気に包まれた。
病室の中にはたった1つのベッドしか置かれていなくて、さくらが眠る枕元で花束を持っていた母親が振り向き、驚いたように肩眉を上げた。
「はい。…お邪魔でしたか、」
「そんな事ないわよ!学校の帰りに来てくれるなんて思ってもみなかったから、おばさん嬉しいわ」
控えめに尋ねると、彼女は大袈裟に首を振って僕の考えを否定する。
そうか、よくよく考えてみれば僕は最低でも週に1回はお見舞いに来ていたけれど、それは全て休日だった。
「丁度良かった。今ね、看護師さんに花瓶の場所を聞こうと思っていたの。ついでにコンビニで買い物も済ませてきちゃうから、暫くさくらの傍に居てやってくれる?」
僕が愛娘の彼氏である事を受け入れている彼女は、にこりと笑って持参したらしい花束をベッド脇のテーブルに置き、僕の肩にそっと手を乗せた。
心の中で様々な感情がひしめく中、見舞い客だという事を示すネームプレートを首から提げた僕は必死で冷静な感情を取り戻し、“飯野 さくら”と書かれた病室のドアを開けた。
「はーい。…あら、冬真君!わざわざ来てくれたのね」
ドアを開けると、外の冬の寒さをまるで感じさせない温かな空気に包まれた。
病室の中にはたった1つのベッドしか置かれていなくて、さくらが眠る枕元で花束を持っていた母親が振り向き、驚いたように肩眉を上げた。
「はい。…お邪魔でしたか、」
「そんな事ないわよ!学校の帰りに来てくれるなんて思ってもみなかったから、おばさん嬉しいわ」
控えめに尋ねると、彼女は大袈裟に首を振って僕の考えを否定する。
そうか、よくよく考えてみれば僕は最低でも週に1回はお見舞いに来ていたけれど、それは全て休日だった。
「丁度良かった。今ね、看護師さんに花瓶の場所を聞こうと思っていたの。ついでにコンビニで買い物も済ませてきちゃうから、暫くさくらの傍に居てやってくれる?」
僕が愛娘の彼氏である事を受け入れている彼女は、にこりと笑って持参したらしい花束をベッド脇のテーブルに置き、僕の肩にそっと手を乗せた。



