そこから、僕達はすぐにプレゼントを交換する体勢に入った。


やはり、クリスマスの醍醐味はクリスマスツリーの下で撮る写真でもイルミネーションを楽しむ事でもなく、プレゼント交換だ。


「じゃあ、僕からいきます」


先陣を切ったのは、やはり彼氏として先導したいという想いも捨て切れない僕で。


「はい」


さくらはウキウキした表情を浮かべ、ベッドの上でわざとらしく姿勢を正してみせた。


「メリークリスマス、さくら」


そんな彼女を見て笑顔になった僕は、後ろ手で隠していた小さな紙袋を取り出した。


「ありが、…えっ、これ何?見て良いんだよね?」


僕の手から紙袋を受け取った彼女はお礼の言葉と質問もそこそこに、息せき切って紙袋の中身に手を入れた。


興奮すると言葉も上手く紡げなくなる彼女が可愛くて、ついにやけてしまう。


「ちょっと待って、この箱何?…あ、やばい、泣く」


そして、紙袋の中から長細い箱を取り出したさくらは、その箱を数ミリだけ開けて中を覗いた瞬間、驚いた顔で僕の方を振り向いた。


「もし、気に入らなかったらごめん」


一応小さな声で謝ってみたけれど、彼女がそれを気に入った事は一目瞭然だった。


「ねえ、私が気に入らないわけないじゃん…!これ私が貰って良いの?どうしよう、うわー…」