徒歩で登校している彼女は寝坊で遅刻する事も増え、授業中にも関わらず眠そうに欠伸を繰り返したり、本当に眠る事も増えてきた。
今までは活発に発言をして先生からも好かれ、誰よりも人一倍真面目に授業な取り組んでいたあのさくらが、だ。
そんな彼女の急激な変わりようを隣の席で見ている僕としては、居てもたってもいられない。
「ねえ、この頃どうしたの?眠そうだけど、何かあった?」
ある時、僕はさくらに尋ねてみた事があった。
さくらの秘密を知っているのは僕しかいないし、何か出来る事があったらしてあげたいと思って。
でも。
「ん?そうなんだよ、この頃寝不足でさ。夜遅くまでドラマ観てるからこんな事になるんだよね、本当最悪だよー」
彼女は、初デートで遊園地に行った時とは大違いの疲れたような声で、そう言って笑ったんだ。
さくら自身がそう言うのだから、僕は何もする事が出来なくて。
その時の僕は、ぎゅっと拳を作って頷く事しか出来なかった。
命のタイムリミットまで半年を切った今、彼女も彼女なりに悔いの残らないように残された日々を楽しんでいるはず。
でも、さくらの“死ぬまでにやりたいことリスト”は更新されず、僕は彼女の偽の彼氏として何もしてあげられないまま、ただ虚しく日々は過ぎていった。
今までは活発に発言をして先生からも好かれ、誰よりも人一倍真面目に授業な取り組んでいたあのさくらが、だ。
そんな彼女の急激な変わりようを隣の席で見ている僕としては、居てもたってもいられない。
「ねえ、この頃どうしたの?眠そうだけど、何かあった?」
ある時、僕はさくらに尋ねてみた事があった。
さくらの秘密を知っているのは僕しかいないし、何か出来る事があったらしてあげたいと思って。
でも。
「ん?そうなんだよ、この頃寝不足でさ。夜遅くまでドラマ観てるからこんな事になるんだよね、本当最悪だよー」
彼女は、初デートで遊園地に行った時とは大違いの疲れたような声で、そう言って笑ったんだ。
さくら自身がそう言うのだから、僕は何もする事が出来なくて。
その時の僕は、ぎゅっと拳を作って頷く事しか出来なかった。
命のタイムリミットまで半年を切った今、彼女も彼女なりに悔いの残らないように残された日々を楽しんでいるはず。
でも、さくらの“死ぬまでにやりたいことリスト”は更新されず、僕は彼女の偽の彼氏として何もしてあげられないまま、ただ虚しく日々は過ぎていった。



