わたしの推しはオオカミ王子さま



私の動きを、後ろから止める声がした。

数回しか聞いたことなくて、そんな声だったかと改めて認識をする。



低くて、感情があるのかないのかすらわからない……今年度放送担当における、唯一の憂鬱。



その声につられて振り返ると、小さいコンビニの袋を持った男の子が一人。



ほぼ金に近い茶髪に、目にかかるくらい長い前髪。
片耳だけに光るシルバーのピアス、ダボっとしたパーカーを気怠げに着て。この時期、暑くないんですか。