戻り駅

「チッ。仕方ない。こい!」


 良治はそう言うや否や私の腕を掴んで後部座席へと引きずり込んでいたのだ。


 咄嗟に抵抗しようと試みたが、二人がかりで車に乗せられて逃げることができなかった。


「ちょっと、なにするのよ!」


 後部座席には良治も乗り込んできて腕はきつく掴まれた状態だ。


 ドアを開けようとしたが運転席からチャイルドロックをかけられてしまった。


「やめて!!」


 叫び声もむなしく、車は急発進して学校へと向かったのだった。