戻り駅

　どこかで休憩しないと。


　そう思っても鞄は学校に置きっぱなしにしてしまった。サイフも鞄の中に入れたままだ。


仕方なく近くの公園まで歩き、水道の水で喉の渇きを潤した。


　木陰のベンチに座り呼吸を整える。


　一時間も歩き詰めだったのでさすがに足がだるくなってきていたが、だけどここで長時間休憩している暇はない。


　早く犯人の車を見つけないとあの悲惨な事故はまだ引き起こされてしまうのだ。


　五分ほどベンチに座って休憩してから、再び立ち上がった。太陽はちょうど真上に来ていてジリジリと身を焦がすような熱が降り注いでいる。メマイを起こして倒れてしまいそうになりながら、私は日向へと飛び出して行ったのだった。