戻り駅

「ちょ、美紗?」


 良治はとにかく美紗の体を引き離そうとするが美紗はしっかりと抱きついて離れない。良治は真っ赤な顔で頭をかくばかりだ。


 やがて周囲から二人を冷やかすヤジが聞こえてきたが、美紗はそのヤジすらいとおしいという様子で微笑んでいたのだった。