聖とふたりで出かけるなんて久しぶりだ。前に出かけた時は、研修の帰りに買い物に行っただけの関係だったから。
 
 今はこうして、正式にデートという名のデートをしている。 それが不思議だ。
 聖を異性として見たことはないし、これからもそうなることはないと思っていた。

 でもこうして見ると、聖はイケメンで、背も高くて、スラッとしている。 まるでモデルみたいだ。
 医者としてのスキルだって、聖の方が高い。聖は昔から優秀だったから。

 聖は誰よりも努力家で、休みの日でも勉強のために病院に来ていたくらいだ。 
 聖はいつか、教授になるかもしれない。そのくらい、聖は優秀なんだ。

「あのさ、花霞」

「ん?……どうか、した?」

 隣を歩く聖の顔を見上げる。

「花霞に、話したいことがあるんだけど」

「……話したい、こと?」

 なんだろう?話したいことって……。

「俺さ、おまえのこと好きなんだけど」

「……え?」

 突然の告白に、戸惑ってしまう私。

「同期としてじゃなくて、おまえを女として好きってこと」
 
 なんとなく、デートに誘われた日からもしかしたらそうなんじゃないかとは、思ってはいたけど……。