「……もう既に、エリオットルートが潰れた?」
「ああ、エリオットはリンゼイに首ったけだし、今更メイが近付いたって無駄だろう」
「……それなら、それ以外の全ルート廃止しても特に影響ないよな。俺たちが無理に頑張らなくったって、エリオットルートに流れることはもう無いんだから」


 一瞬の間のあと、ジョージが歓喜で震えながら言います。


「アラン、その通りだ! エリオットルートさえ回避できたんなら、あとは別に俺たちがヒロインとイチャイチャする必要ないんじゃないか?」


 もしかして皆さん……私の先程の質問で初めて気付いたのでしょうか。『全ルート廃止』という選択肢に。


「レオ! どうなんだ? 全ルート廃止でいいよな?」
 アランがせっつきます。そうでした、そろそろアランには、あのイベントが待ってますものね。床の取り合い合戦。


「全ルート廃止……いや、だって初めはゲームの強制力がどれほどのものか分からなかったし、コレットを守るには全ルート進めるしかなかった……」
「だから、エリオットが外れた時点で考え直せば良かったんだろ?」


 みんなが殿下の方を見ます。殿下、これも将来国王になった時の予行演習と思って頑張ってください。多分二十年もすれば、この皆さん達が国王になった殿下を支えてくれるのですよ。

 上手くまとめて! 頑張れ!


「……そうだな、すまない。俺の考えが間違っていた。全ルート廃止だ! その代わり、全員でメイからコレットを守るのを助けてくれ」
「「はい! 殿下!」」


 殿下! 素晴らしいです! パチパチ!
 自分の非を認められるようになるなんて、きっと今までの殿下にはできなかったことですよね。
 手段はちょっと間違ったかもしれませんけど、こうして仲間たちと一緒に経験を積んでいけば、きっと未来は賢王になられるはずです。

 私も殿下を見習って、少しは成長しないといけませんね。