「コレット。今日も綺麗だね」

 はい、爽やかな春の風に金粉(キラキラパウダー)が舞っています。この世界にサングラスって売ってないかしら。キラキラモードの殿下を見ていると、何だか目がショボショボするの。


「レオナルド殿下、ごきげんよう。殿下こそいつにも増して素敵ですわ」


 ああ、周囲の目線が痛いです。皆さーん!今の殿下は仮の姿ですよー、本当は腹黒いブラック王太子なんですよー!


「今日は国王陛下に、君の来月の学園入学の報告に行くよ。そしてその後はドレスを選ぼう。コレットを更に美しく見せるものがあればいいんだが」
「さ、さようですか……」


 何度聞いても気持ち悪いセリフですね。今月だけで「美しい」って何回言いました? 今度、クサい台詞(セリフ)ビンゴでも作って遊んでみようかな。

 さあ、キラキラモードの殿下と共に国王陛下に謁見です。


「コレット、学園入学おめでとう。レオナルドのことをこれからもしっかり支えてくれ」
「はい、国王陛下。誠心誠意殿下にお仕えいたします」


 いや、もう本当に。誠心誠意、全身全霊で殿下にお仕えしておりますよ。人使いの荒い殿下のお側で、毎日毎日ブラック強制労働をさせられております。
 ふと横にいる殿下を見上げると、あらヤダ! なんという勝ち誇った顔っ!!