「だってアンタ、いつの間にレオのこと許したのよ? あんなやつお預けよ。お預け!」


 私のために一緒に怒ってくれてありがとう、メイ。
 
 エドワード様を妊娠されてからの数か月間、悪阻に悩まされて大変な思いをしていらっしゃる王妃様を近くで見て来たレオ様。万が一私も同じような状況になったら、一生に一度のウェディングドレスが見られないかもしれないと、我慢することにしたんですって。

 当初はキックオフする気満々だったんですよね? とも思いましたが、詳しく突っ込むのは止めました。それに、メイの前では何とも話しづらい話題でしたのでね。

 早く話を終わらせたかったんです。眠かったし。

 結局その日は二人とも疲れ切っていたので、メイが下がった後はそのまま私のベッドで雑魚寝です。
 婚約したばかりの子供の頃は、そうやって二人で並んでお昼寝したこともありました。朝目覚めて、何となく懐かしい感じがしたのを覚えています。

 それから二か月間。
 周りの目もあるから……と言って、レオ様は毎晩私の部屋にやって来ます。その日あったことを報告しあって、二人の時間を楽しんだ後は、そのまま毎日雑魚寝。

 それだけ。なーんにもナシです。律儀ですね。

 私たち、『恋人以上、夫婦未満』といった関係なのです。