レオ様が改めてちゃんとプロポーズをしてくれて、私たちの誤解も解けて仲直り。さあ勢いで結婚もしたし、二人で頑張っていきましょうと話をしたのが二ヶ月前。

 あの日はレオ様の誕生日パーティーの途中に抜け出して神殿に行ったり、また戻ってきて両親に挨拶したり……と、大変な一日だったわけです。私の部屋でレオ様と二人で話し合ったのも、もうすぐ日が変わろうかという夜遅くの出来事でした。

 ……さあ、その後は。

 話も一通り終わったのにレオ様がなかなかお部屋から出て行ってくれなくて……。私その時は気付かなかったのですけど、どうやらレオ様は、そのまま開幕戦キックオフしちゃおうと思っていたらしいのです!

 あ、例えが分かりづらかったですかね? つまりキックオフというのは……ええっと、その……


「つまり、そのまま初夜を迎えちゃうのかってことでしょ? 何なのよ、キックオフって」
「メイ! 口にするのが恥ずかしいからわざわざ言い換えているのに!」
「まあ、仕方ないわよね。アンタたちが良い雰囲気のところに、私が急に空気も読まずに割り込んじゃったんだから」


 そうなんです。
 あの日私とレオ様が二人でお話している部屋に、ノックもせずに飛び込んできたメイ。


「まさか既にあの時点で結婚済みとは知らなかったしね。コレットの部屋を作ったってジョージに聞いて、とりあえず王家の居住塔に行ってみたのよ。そうしたらアランが顔パスですんなり入れてくれたの」
「緩い警備だわね……」
「何故だかアランは私を見ると怯えるのよね。だからすんなり……って、それはさておき。驚かそうと思って走って部屋に入ったら、レオがアンタをソファに押し倒してるんだもん。慌てて止めたよね」
「私、押し倒されてた?! 眠さ限界だったから、あんまりハッキリ覚えてないわ……」


 結論、キックオフはいったん延期。結婚披露パーティーが終わるまでは、今まで通り! と言うことになったの。メイの指示でね。