国王陛下は公務に復帰されましたが、エドワード様のお世話もできるだけ関わりたいのだそうですよ。

 陛下、レオ様に仕事押し付けることに味をしめてしまいましたね。その影響でレオ様は相変わらず、多忙を極める毎日です。

 レオ様の負担を減らそうと、私も少しずつ公務のお手伝いを始めています。王妃様のライフワークである孤児院への慰問を、今は王太子妃である私が引き継いで務めているのですよ。
 皆様をお招きしての結婚披露パーティーもまだなので、大っぴらに王太子妃です! とは言いづらいところなのですが、レオ様が体調を崩してはいけませんからね。しっかり頑張っていきます!

 ちなみに、エドワード様ご誕生のお披露目も兼ねて、近いうちに皆様をお招きして私たちの結婚披露パーティーをする予定です。
 ウェディングドレスも作ってくれるんですって。楽しみです!

 話は戻って、孤児院への慰問のこと。これは、もしかして私の天職かもしれません。
 私のオリジナル絵本は、なぜか子供たちに大人気。なにしろ主人公が凶悪王子ですから、教育上よろしくないという反発の声が上がるかもしれないと心配もしていたのですが……

 いつの世も、子どもは思う通りにはいかないもの。凶悪王子の決めゼリフを言い合う子どもたちが、孤児院で元気に遊んでいます。

 あ、それと、せっかく身につけた編み物の知識を生かそうと、子供達みんなに手ぶくろも編んでいますよ。
 意外と私も頑張って働いているんです!

 あ、そうそう。ディラン様とミルズ侯爵家は、もう社交界には現れないでしょう。実はレオ様が裏で色々と手を回して……


 ……え? コレットうるさい?!


 そんな事はどうでもいいから、なぜレオ様との開幕戦がまだなのか教えろですって?

 これには色々と理由があるんです。