馬車が神殿に到着する頃には、私たちの口論はただのお互いの悪口の応酬に成り下がっていました。レオ様は、夕食中だった司祭を無理に呼びつけます。

 そして私たちは誰もいない神殿の中で、ふくれっ面のまま祭壇へ。


「……あの……殿下……本当によろしいのでしょうか。普通は予め日取りをお決め頂いて、国王陛下にもご出席いただいてから……」
「いいんだ! 今すぐ頼む! いいよな、コレット!」
「望むところですわ! 二度とこんなに放っておかれるのは御免ですもの。一思いにいっちゃってください!」
「それではお二人は……永遠の愛を……」

「「誓いますっ!!」」


 何も罪のない司祭様に向かって食い気味に永遠の愛を誓った私たち。後にも先にも、こんな王太子と王太子妃、絶対にいないと思うわ。