レオ様の自室に通され、促されるままに恐る恐るソファに腰をおろしました。

 今日はレオ様が主役のパーティーなのに、急に会場を出てきて良かったのかしら。それに、今私の目の前にいるこの青白い物体……もとい、血の気の引いたレオ様の尋常じゃない姿。
 心配事が多すぎて、ついつい私もオロオロとしてしまいます。落ち着いて座っていられないわよ。
 焦る私のお隣に、ゆっくりと力なくレオ様が腰かけます。


「コレット……お前、壮大な勘違いをしていないか?」
「勘違い……ですか?」


 わざわざ私の隣に座らなくても良かったのに。お向かいも空いてますよ? 近くにいると、なんだか私まで血の気が引いてしまいそうだし。


「どこから確認したいいのか全然分からないんだけど……コレットはアランから話を聞いて、一体誰が懐妊したんだと思ってた?」
「それはチョメ令……いいえ、レオ様の側妃の方……ですよね?」


 私の発した言葉を聞き、地中深く潜ってしまいそうな大きなため息と共に、レオ様が頭をかかえてソファに沈んでいきます。
 そのまま縋るように私の手を握ってくるけれど、私は思わず手を引っ込めました。


「側妃……やっぱりそうか。俺がコレットと会えなかった間に、こっそり側妃を迎えたと思っていたんだな。なんか色々と話が繋がった」


 ……側妃迎えて、すぐ懐妊。ですよね?