そういう意味かどうかばかり聞かれるけど、どういう意味ですか。時々レオ様って言葉を濁すのよね。私の妄想癖も良くないけれど、レオ様だってもう少し具体的に言ってくれてもいいと思いますよ。
 そんなことを考えて首をかしげている私にしびれを切らしたのか、レオ様が私を引っ張って抱き締め、耳元で言います。


「本当は今すぐ全部もらいたいくらいだけど、二年後まで大事に取っとく」
「……そういうものですか? とりあえず、レオ様にお任せします! 喜んでくれました?」
「俺は嬉しい! 俺は嬉しいが、他のやつには絶対にやるなよ! あと、気が早いが、もし娘が生まれてもこんな事教えるんじゃないぞ!」
「娘っ……! レオ様、気が早すぎます!」


 妄想癖のあるぼんやり令嬢と、ガラの悪い凶悪王太子の恋愛ストーリー。
 これでハッピーエンドと言ってしまってもいいですか?

 でも、私たちはまだまだ成長途中。
 これから数年後、私たちが結婚して、子どもが生まれて、おじいちゃんとおばあちゃんになって、一生二人で仲良く暮らしました……なんて。

 きっと世界はそんなに甘くない!
 何と言っても私は、悪役令嬢コレット・リードですからね。

 またどこかでビックリする事件が起こって、皆さまに再びお会いできる日を楽しみにしておりますわ。

 それまでしばらくの間、ごきげんよう!


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本編はここで完結となります!
お読みいただきありがとうございました!

このあと、続編+番外編が続きます。
本編合わせ、全体で19万文字程度の物語です。
引き続き読んで頂けると嬉しいです。