「じゃあ、アンタが私とジェレミー様の間を取り持ってよ。実はね、アンタとレオがなかなかくっ付かない事にもイライラしてたの。まあ、概ねそれは私のせいなんだけど。この私が気持ちよく譲ってあげた相手なんだから、いつまでも奥手でモゴモゴしてないで、サッサとレオと片づきなさいよ!」


 メイ様、いくらなんでもその言葉遣いはひどいわ。本性はそういう感じだったのね。実はブラック社長時代のレオ様とピッタリだったかもしれないわね。


「サッサと片付くってどういう事? 私たちはまだまだ結婚の予定も先だけれど……」
「またまた純情ぶっちゃって! アンタだって色々知ってるんでしょう? ほら、耳を貸して……」


 私の耳元でメイ様が、昼間リンゼイが言っていたあんな事やこんな事を生々しく……もうやめて!


「あなたもリンゼイも、なんて事を言うのよ! 私がそんな事できるわけないでしょ!」
「甘えるんじゃないわよ! いつまでも、あると思うな男と金。男と金はしっかりつかまえておかないとすぐに居なくなるのよ。アンタだって少しは努力しなさい」


 努力って何ですか。あなたたちの話を聞いただけで、頭が沸騰しそうだわ。
 メイ様はメイド服のまま、私のベッドにダイブします。うぅ……私がそこにゴロゴロしたかったのに。


「ねえ、明日から早速始めるわよ。レオに対してどういう風に接すればいいか、もう分かったわよね。大丈夫よ、絶対レオも喜んで、すぐにあんな事やこんな事……」
「ストップ! ああもう、やめてよ! 今日は私、絶対に眠れないわ」
「え? なんなのアンタ。思春期の男子じゃあるまいし! 分かったわよ、じゃここで一緒に寝てあげる! おやすみ」


 先に私のベッドの半分を占領して寝始めるメイ様。全てが豪快で無茶苦茶すぎるわ。


「あ、言い忘れたけど、私はアンタの侍女なんだから、呼び捨てで『メイ』って呼んで!」


 はいはい、分かりましたよメイ。なんだかんだ言って彼女を受け入れてしまう私、なんだかため息しか出ないですね。