「とりあえず…車の中でゆっくり話そ」


「うん!」


遥輝はもう大学生で、車の免許も持っている。


誕生日が来ればハタチだ。


どうしてもそれまでに帰りたかった。


ハタチの誕生日は絶対に直接会って祝いたかったから。


明日から8月。


なんとか間に合ってよかった…。


「カッコいい車だね」


車は詳しくないから車種とかは分かんないけど、たぶん高級車だよね、これ。


遥輝はノーコメントで、私の荷物をトランクに積んでくれる。


そして、当たり前のように助手席の扉を開けてエスコートしてくれた。


「ありがとう…。なんだか緊張しちゃう…」


久しぶりに2人きりだし、密室空間だし、運転席と距離が近いし…。