―コンコン


「どうぞー」


きっと看護師さんか神田先生だろう。


「具合はどう?」


入ってきたのは神田先生だった。


「あんまり良くないです」


神田先生には、プラネタリウムの帰り道に遥輝と話した内容を伝えている。


だから気を遣ってくれているのか、遥輝の話題は一度たりとも口にしない。


「今日は絢ちゃんの病気のことで話したいことがあって来たんだ」


「私の病気のこと?」


今さら何の話だろう。


もう死ぬのを待つだけだと思っていたんだけど。


「先にご両親には話をしてあるんだけど―」