ひと夏のキセキ

“今後も関係を築いていくうえで” 


当たり前のようにその言葉が出てきて胸がキュンとする。


これからも私が死ぬまで一緒にいてくれるのかなぁなんて想像しては胸が高鳴る。


「じゃ、じゃあ聞いてくるね。待ってて」


赤くなった顔を隠したくて、駆け足で車に向かうと、“走ると危ねーぞ”と優しい声が追いかけてくる。  


「お、お母さんっ」


なんだか恥ずかしくて、慌てて車のドアを開ける。


「どうしたの?ずいぶん慌ててるけど」


「これからちょっとだけ寄り道したいんだけど、だめかな?」


少し険しい顔をするお母さん。


やっぱりやめておいたほうがいいのかな…。


せっかく遥輝と出掛けられるチャンスのにな…。