そうしているうちに何だか最初のお話が流れていって、あれ、と瞬きをした。


もしかして黒羽くん、お話を変えてくれた……?




「――っていうかこれは前に教えたでしょ! も〜、記憶力いいんだから覚えといてよ」


「……悪い」


「あ、えっと……若菜ちゃんは優しいね。昔から2人はこんな感じなの?」


「ん? そーかな。コウのことはエージさんからも頼まれてるし、若菜はお姉ちゃんみたいな?」


「……誕生日は、俺の方が早い」


「細かいことは気にしなーい」




ぷいっとそっぽを向いた若菜ちゃんに笑いながらも、黒羽くんを盗み見る。


さっきのは考え過ぎかもしれないけど……もしわたしが苦手な話題だったのに気づいて、お話を変えてくれたなら……。


トクン、と心臓が少し変になった。