笑顔で手を振ると、黒羽くんは頷いて答える。

それを見て、わたしは窓を閉め直し、急いで中庭に向かった。




「お待たせ。黒羽くん、今日は学校に来てたんだね」


「あぁ」




春らしく、色んな花が咲いて生き生きとしている中庭に着くと、黒羽くんが可愛らしい柄の小袋を持っていることに気づく。




「それ、どうしたの?」


「……持ってくるように頼まれた」


「頼まれた?」




誰に頼まれたんだろう、と疑問に思うと、「コウ〜!」と呼ぶ女の子の声が聞こえた。

辺りを見ると、見覚えのある可愛い子が校舎の方から走ってくる。




「ごめ〜ん、友達と盛り上がっちゃって〜。……って、天使ちゃん!?」