「……分かった」




目を伏せて、黒羽(くろば)くんはそう答えた。

それにホッとして、わたしは思わず笑みを浮かべる。




「よかった」




黒羽くんはチラッとわたしを見ると、なんだか眩しいものを見るように目を細めた。


なんだろう……?




キーンコーンカーンコーン


「あっ」


「ん? そこの2人、ホームルームの時間だぞ。教室に入りなさい」


「ごめんなさい! 今戻ります!」




階段の方から歩いて来た先生に見つかって、慌てて黒羽くんの腕を引っ張る。

早く教室に戻らないと。