「そうだね……卒業することもそうだったけど、お母さんのことも一緒に悲しんでくれたから」


「……そっか。そろそろ忌明け?」


「うん、先週の木曜日に。今は遺品整理を始めてるんだ。……ごめんね、朝から暗いお話をしちゃって」




遊びに誘われても頷けないから、お友達にはお母さんのことを知らせて、その上でいつも通り接して欲しいとお願いしていた。

逢見くんもその中の1人だったのだけど、そうやって謝ると「ううん」と微笑みを返される。




「苑香さんのお母さんのことだから。気にしないで。……それと、男手が必要だったら遠慮なく僕を呼んで」


「ありがとう。でも、迷惑じゃないかな……?」


「大丈夫だよ。その……僕が、苑香さんの助けになりたいだけ、だから……」




逢見くんは少し頬を赤くして、ゴニョゴニョとしりすぼみしながらそう言ってくれた。