「……ふむ、いいだろう。10点中、10点だ」
「やった!」
「よくやった、皇輝!」
若菜ちゃんと詠二お兄ちゃんの声を聞いて振り向いた皇輝くんは、コクリと頷いてその喜びに応えた。
1回目の採点を終えてパラパラと教科書をめくり、次の問題を見繕ったお父さんは、“声掛け”を始める。
「では最終テストだ。1回目の結果から、確実に解ける問題を選定した。学びが根付いていれば、全問正解できるだろう」
「……はい」
「自らの価値は自分で示すように。一問でも間違えれば、お前は“欠陥”に甘んじて努力を怠ったものと見なす」
後ろから見ても分かるくらい、皇輝くんは身を固くして「はい」と掠れた声で答えた。
また皇輝くんを傷つける言葉を、と言いたいのを我慢して、わたしはお父さんが「始め」と言う様子を黙って見つめる。



