皇輝くんは目を細めると、不安と緊張が滲む瞳で開いた教科書に視線を落とした。
“できるかな”。
そんな声が聞こえてくるようで、強ばった背中にそっと手を添える。
「大丈夫だよ。今までいっぱい頑張ってきた皇輝くんなら、必ずいい結果が出せる。自信を持って、お父さんに見てもらおう?」
「……うん」
皇輝くんはわたしに視線を戻すと、不安も緊張も和らいだ瞳で頷いた。
それから、わたしの手を取って、少しの間指を絡める。
「……頑張る」
決意を表すように、目を伏せて呟いた皇輝くんは、テーブルに向かってシャープペンシルを手に取る。
黙ってわたし達を見ていたお父さんが始まりの合図を告げると、皇輝くんは淀みなくシャープペンシルを走らせた。
みんなで離れて皇輝くんを見守っていると、5分も経たない内に「できました」と声が上がる。



