傷だらけの黒猫総長



けれど、わたしの中にあるそれも、なかなか強烈だと、過去の記憶が告げている。




「あなたは、一体皇輝くんの何を見ていたんですか……?」


「「!」」


「そのちゃん……?」


「……もう1人いたのか」




わたしは呆然としている皇輝くんの頬に触れて、“大丈夫”と言うように微笑みかけてから、お父さんの前に姿を現した。


どうして、皇輝くんの自己評価が低いのか。

どうして、皇輝くんが神秘的な瞳をするようになったのか。


どうして、皇輝くんは“傷だらけ”なのか。




「あなたの言葉全部、訂正してください。皇輝くんは貶められる謂れのない、素敵な人です」


「貶める? 私は事実を述べているだけだ」




わたしの視線を正面から受けたその人は、皇輝くんと似た瞳に何の感情も浮かべず、ただわたしを見つめ返した。