急に方向転換した話題に思わず赤面すると、女の子達に揃ってからかわれる。




「このクラスじゃ公然の事実だよ?」


「うんうん、どっちも分かりやすいし」


「それとも私達の勘違いだった〜?」


「う……ううん、確かに、わたしは皇輝くんが好き……です」




かぁぁっと熱くなった頬を押さえると、「きゃーっ」と興奮した声が上がった。


そのまま重い空気が吹き飛んで、いつも通りの雰囲気に戻った教室だったけど、それもそう間を置かずに打ち切られる。

何故なら……。




ガラッ


「そのちゃんっ、助けて! コウが、お父さんのとこに戻っちゃったの!」


「えっ……?」




勢いよく教室に駆け込んできた私服姿の若菜ちゃんは、必死な顔でそう叫んだ。