傷だらけの黒猫総長



確かに、皇輝くん達飛翔謳歌は、前々からあの人達と揉めてたのかもしれない。

わたしだって、暴走族同士の事情は分からないから、何か誤解をしているのかもしれない。


皇輝くんにも、わたしに見せていない怖い一面があるのかもしれない。

でも、それでも。




「皇輝くんは、ずっと優しい人だった……っ。酷いことなんて、1回もされなかった。みんなだって、見てきたでしょう?」


「それは……」


「……確かに、皇輝くんは喧嘩をしてたよ。殴り合いの喧嘩……。そういうことをする時も、あるんだと思う」




皇輝くん自身も“暴走族は殴り合いの喧嘩をする”って言ってたから、ああいうのは一度や二度じゃないんだろう。


若菜ちゃんや矢吹(やぶき)先輩だって、慣れた様子だったし。




「でもね、考えて欲しい……今までに一度だって、皇輝くんが学校でその一面を見せた?」


「「「……」」」