「うん。幸い、皇輝と飛翔謳歌……“暴走族”の繋がりは証明されなかったんだ。停学で済んだのは、その点も大きくてね」
「! そうだったんですね」
最初から最後まで一緒に話を聞かれたわけじゃないから、詳しい経緯は分からなかったのだけど。
皇輝くんへの処罰が、少しでも良い方に変わっていたならよかった。
「改めて言わせて。ありがとう。……それに、皇輝のことも。あんな形ではあったけど、初めて衝動的になるところを見れた」
「あ……わたしも、それは驚いちゃいました。皇輝くんがあんなふうに怒ってくれて、嬉しかったです」
皇輝くんが停学になったことは悲しいけど、あの時のことを思い返すと、そんな感情が芽生える。
怖くもあったけど、好きな人に怒ってもらえることがこんなに嬉しいなんて、知らなかった。



