眼鏡を掛けているせいか、切れ者って感じがする、黒羽くんとは違うタイプのクールなお兄さんだ。
わたしは詠二お兄ちゃん達に駆け寄りながら、みんなも来るって言ってたっけ? と首を傾げる。
「おはようございます。お待たせしました」
「おはよ。悪いな、うっかり口を滑らせたら色々付いてくることになった」
「エージさんだけ、そのちゃんとデートなんてずるいもん!」
「……俺は連れて来られた」
「ってなわけだ。ま、2人きりのデートはまた今度だな」
ははは、と笑う詠二お兄ちゃんに頷きつつ、頬をぷくっと膨らませた若菜ちゃんの頭を、無表情で撫でているお兄さんに視線がいく。
このメンバーだし、この人が若菜ちゃんのお兄さんなのかな……?