差し出された袋の中を見ると、スポーツブラとショーツが入っていた。
びっくりして目を丸くしていると、高柳が言った。
「さっき、ここのエントランスで挨拶してくれた人がいたやろ」
ホテルマンのような制服の女性のことだ、と思い出した。
「あの人がこういう対応してくれるねん。急なお客さんが来た時とかの、な」
「す、すごいサービスですね」
高級マンションはサービスが違うだろうとは思ったけれど、ここまでとは。ほどなくして風呂がわき、さなえは恐縮しながら入らせてもらった。さすがにパジャマのサービスはないらしく、新品の下着の上に高柳のTシャツとジャージを着た。どちらも大きくて、さなえにはだぶだぶだ。仕方なく、袖や裾を折って、なんとか事無きを得た。
「お風呂、いただきました…」
リビングで、コーヒーを飲んでいた高柳が、「おう」と言って立ち上がった。
「伊藤さんの部屋はこっちな」
リビングから出て廊下の二つ目の部屋のドアを開けた。リビング以上にその部屋は何もなかった。ベッドと、壁際に置かれたテレビくらいしかない。たしかゲストルームがあると言っていた。ここで高柳は普段生活していない、ということだろう。
ぱっと見ただけで、ベットのシーツがぱりっとしているのがわかった。お客様仕様。高柳は話すとざっくばらんな関西人のようで、実は気遣いの人なのだ。一流の仕事をしている人はそういうもの、と何かの本で読んだのを思い出した。
「すごく快適そう…ありがとう、ございます」
さなえはお辞儀をした。
「ええって。あ、枕が変わると寝られんとか言うよな。この辺、好きなの観ながら寝たらええわ。寝落ちしてもかまへんから」
そう言って、テレビの下の引き出しからがたがたと何かを取り出した。
「俺のおすすめコレクションやねん」
4つほど、細長めの四角くて薄いものを差し出した。表に本のようにタイトルと写真がついているが、本ではない。
「あの、これは…どうする、ものですか?」
おそるおそるさなえが言うと、高柳が目をむいた。
「えっ…DVDやん…まさか、観たこと、ない、とか?」
驚愕、という顔をしてさなえを見る。
「DVD…あ、映画が入ってるやつですか?」
さなえはわかった!と、顔を明るくした。それでも高柳は驚愕の顔付きから戻らない。
「君のうちは、DVDで映画を見る、という習慣がなかったんかい」
びっくりして目を丸くしていると、高柳が言った。
「さっき、ここのエントランスで挨拶してくれた人がいたやろ」
ホテルマンのような制服の女性のことだ、と思い出した。
「あの人がこういう対応してくれるねん。急なお客さんが来た時とかの、な」
「す、すごいサービスですね」
高級マンションはサービスが違うだろうとは思ったけれど、ここまでとは。ほどなくして風呂がわき、さなえは恐縮しながら入らせてもらった。さすがにパジャマのサービスはないらしく、新品の下着の上に高柳のTシャツとジャージを着た。どちらも大きくて、さなえにはだぶだぶだ。仕方なく、袖や裾を折って、なんとか事無きを得た。
「お風呂、いただきました…」
リビングで、コーヒーを飲んでいた高柳が、「おう」と言って立ち上がった。
「伊藤さんの部屋はこっちな」
リビングから出て廊下の二つ目の部屋のドアを開けた。リビング以上にその部屋は何もなかった。ベッドと、壁際に置かれたテレビくらいしかない。たしかゲストルームがあると言っていた。ここで高柳は普段生活していない、ということだろう。
ぱっと見ただけで、ベットのシーツがぱりっとしているのがわかった。お客様仕様。高柳は話すとざっくばらんな関西人のようで、実は気遣いの人なのだ。一流の仕事をしている人はそういうもの、と何かの本で読んだのを思い出した。
「すごく快適そう…ありがとう、ございます」
さなえはお辞儀をした。
「ええって。あ、枕が変わると寝られんとか言うよな。この辺、好きなの観ながら寝たらええわ。寝落ちしてもかまへんから」
そう言って、テレビの下の引き出しからがたがたと何かを取り出した。
「俺のおすすめコレクションやねん」
4つほど、細長めの四角くて薄いものを差し出した。表に本のようにタイトルと写真がついているが、本ではない。
「あの、これは…どうする、ものですか?」
おそるおそるさなえが言うと、高柳が目をむいた。
「えっ…DVDやん…まさか、観たこと、ない、とか?」
驚愕、という顔をしてさなえを見る。
「DVD…あ、映画が入ってるやつですか?」
さなえはわかった!と、顔を明るくした。それでも高柳は驚愕の顔付きから戻らない。
「君のうちは、DVDで映画を見る、という習慣がなかったんかい」



