翌日の昼頃。

俺は坂本さんに呼び出された。

社長室のドアをノックすると、中から『どうぞ』と声が聞こえた。

俺はドアを開けて、社長室の中に入った。



「失礼します……」



そう言う俺の目に飛び込んできたのは、ソファの椅子に座っている坂本さんと、その隣に座る佳奈の姿があった。

なんで佳奈もいるんだ……⁉

俺はびっくりして声が出せなかった。

そんな俺にはお構いなしに坂本さんは、手招きをした。



「さあ、ソファに座って」

「はいっ」



俺はテーブルを挟んだ、坂本さんの向かいのソファに腰掛ける。

ふかふかの高級感漂うソファ。

感動もするけど、それ以上に、この部屋の空気にのまれていた。

坂本さんの社長としてのオーラ。

その隣に座る完全仕事モードの佳奈。

俺は少しの緊張感を覚えつつ、話を待った。