泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】



それから私と拓海はほとんど毎日の様に会っていた。

頻繁に連絡を取り合う事はしていないけど、予定があって防波堤に行けない時とかは連絡を取り合いながら、それでもほとんど毎日を共に過ごした。

30分でも一時間でも、会える日は会った。


一度、遠出もした。

拓海から水族館に行こうと誘ってくれて、私はすぐに頷いた。

水族館ではイルカショーを見たり、巨大水槽で泳ぐたくさんの魚を見たり、ぷかぷかと泳ぐクラゲを見たり。

ゆったりと泳ぐクラゲを見ながら、最近はあまりぷかぷかした気持ちにはなっていない事に気付く。それはきっと拓海のおかげで、拓海がいるから私はたった一人ぼっちだという疎外感を和らげる事が出来ているのだろうと思った。

お土産コーナーでは海の生物の形をしたクッキーを買ったりして、とても楽しい思い出になった。

拓海と仲が深まっていくのは物凄く自然で、物凄く早くて、私は毎日拓海と海を眺めながらアイスを食べて他愛ない話をする時間に幸せを感じていた。


たとえ、楽しい思い出が記憶からなくなってしまっても、幸せな時間をすぐに忘れてしまうのだと分かっていても、幸せだったんだ。