「最悪。雨、降ってきた」 放課後になると雨が降り始め、傘を持っていない由奈はゆううつな気持ちで空を見上げた。 「あの。これ、良かったら」 「えっ?」 振り向くと、山田君が緊張した様子で傘を差しだしていた。