「それ、本当なの?」

 だってこんな強引なことしてくる男だよ?引くならまだしも好きだなんて……。

 だけど姫奈はその不安も吹き飛ばしてくれるようなことを口にした。

「わ、私は恋愛のほうで水樹君が、大好きなのっ……!」

 ……はぁ、やっぱり姫奈には敵わないなぁ。

 こんなにも一生懸命になって言ってくれた姫奈には、ご褒美をあげなきゃね。

 でもその前にちょっとだけ……意地悪しちゃおうかな。

「そういえばこの前も俺、姫奈のこと押し倒して……キスしたよね。」

「な、何で覚えてるの……?」

 え?だって……。

「曖昧だって言ったけど、忘れただなんて言ってないよ?」

 むしろあれは紛れもない自分の意思。それにあんなこと、忘れられるわけない。忘れるものか。

 俺の言葉に姫奈はまた急激に顔を赤らめて、ぷくーっと頬を膨らませた。

「そ、そんなの、意地悪だっ……!」

「ふふっ、意地悪でも何でもいいよ。」

 姫奈は意地悪のしがいがあるし、もっといじめたくなっちゃう。

 だからね、姫奈……。