草食男子は本性を隠していました。

 うーん、それは良いのか悪いのか……でもこう言ってくれているし、もう少しだけなら……。

 私ももう少し、水樹君といたいし……。

 私はそう思うことにして、もう少しの間水樹君の看病をすることにした。



 そろそろ授業も終わりそうな時間帯になってきて、私は腰かけていた椅子から立ち上がった。

「もう授業も終わるから、私先生呼んでくるね!」

 水樹君の容体も大分良くなっているし、体温も下がっている。

 これなら歩けるくらいにはなってるよね……と心の中で安堵しながら私は保健室を出ようとした。

 だけど……それはできなかった。

「へっ……?」

 突然水樹君に片腕を掴まれ、ベッドに押し倒されてしまったから。

 何が起こっているのか分からず、私の頭にははてなマークばかりが浮かんでいた。

 水樹君は私の両腕を掴み、優しいけど強い力で押さえている。

 水樹君の前髪が横に流れていて、水樹君の綺麗な顔が露わになった。

 ……っ、ち、近い……っ。

 男の子に対して免疫があんまりない私に、これは心臓に悪すぎる……っ。