草食男子は本性を隠していました。

 男子のほうも同じ内容らしく、ブーイングの声が上がっている。

 あはは、みんな相当嫌なんだなぁ……。

 だけど今日してしまわないといけないらしく、結局休憩を多くとりながらの長距離走になった。



「何でこんな暑い日に長距離なの~!」

「日葵、頑張れ……!」

 トラックを走り出したタイミングで日葵がそんな声を上げている。

 暑い……でもなんとか走れるからまだ良いほうだと思う。

 適度に風も吹いているし、これなら早めに終われそうだっ……。

 だけど……直射日光を浴びているせいで、呼吸が荒くなってしまう。

 深呼吸を何度も繰り返してみるけど、生ぬるい風のせいであまり意味がない。

 やっぱり水分とったほうが良かったかな……と今更思いながらトラックを走る。

「姫奈、何でそんな速いの~!」

「え?そう、かな?」

 別に早いってわけでもない気がするけど……。

 むしろ呼吸が乱れて遅くなってると思うっ……。

 そんなことを呑気に考えていると、突然頭が痛んだ。

 ……っ、うっ。