沢本君は怪しげにしていたけど、視線でも訴えると「そっか。」と言ってくれた。

 ふぅ……とりあえずはこれで……。

 沢本君と話してるのに、別のこと考えちゃダメだよね……。

 私は心の中で反省しながら、その時間をなんとか乗り切った。



「あっつ~、これ何℃なの~。」

 次の時間が体育の為、日葵と一緒にグラウンドへと向かう。

 確かに、暑いかも……。

 夏だから仕方ないのかもしれないけど、これはきちんと水分補給をしないと熱中症になっちゃいそうだ。

 だけど生憎、水筒を持ってくるのを忘れてしまった。

 こんな日に持ってこないなんて、私の馬鹿……!

 でも一時間だけだから、きっと何とかなるよね……!

 私はそう考えることにして、暑い外の中駆け足でグラウンドまで向かった。



 準備運動もアップも済ませ、今回の内容に入っていく。

「えー!この暑い中長距離ですかー!?」

「先生、あたしたち倒れちゃいますよー!?」

「せめて短距離が良い!」

 うん、私もそう思う。この真夏日の中、長距離は流石にきつい。